疲れたときは、お酢のきいたさっぱりした食べ物を食べたくありませんか??
お酢が疲れを回復するなんて話も聞いたことがあります。実際のところはどうなのか、長年研究を続けてこられた中山貞男先生に話をお聞きしました。
解説:昭和大学元客員教授中山貞男 先生
グリコーゲンの不足が疲れの重大原因

疲れの原因はさまざま。
中でも、ストレスや自律神経(意志とは無関係に血管や内臓の働きを支配する神経)の乱れなどはよくいわれることですが、あまり知られていない原因として、グリコーゲンの補充がうまく行われていない点があげられます。
パンやご飯、果物に含まれる糖質はブドウ糖に分解・吸収されて肝臓や筋肉に運ばれ、グリコーゲンに姿を変えて蓄えられます。
グリコーゲンとして蓄えられたあとは、必要なときにブドウ糖に戻されて、血液を通してエネルギーに使われていくのです。このように、肝臓や筋肉がブドウ糖の管理をうまく行うことで、血糖値もバランスよく調節されているわけです。
しかし、このグリコーゲンが枯渇したままになると、運動能力が低下したり、疲れやすくなってしまいます。つまり、失ったグリコーゲンを補充することが重要なのです。
お酢でグリコーゲンを補充しよう

このグリコーゲンの補充にも酢が活躍します。ラットの実験では、肝臓・筋肉グリコーゲンの補充は、酢の主成分である酢酸をとった場合が最も多くされていました。
編集部注)酢と糖をいっしょにとるのがポイントです。ラーメンにお酢を入れる、お酢とハチミツをいっしょにとるなどはおすすめです。
また、酢には血流を促進させる働きがあります。
血液の循環がよくなることで、酸素が素早く全身に行き渡るようになり、たまった疲労物質の乳酸がスムーズに分解されるようになります。
乳酸が減ると筋肉がほぐれ、血液循環がさらによくなって手足の冷えも改善されるでしょう。
疲れたときには酢の物、と昔からよくいわれますが、あながち間違いではないことが科学的にもわかっています。みなさんも「最近疲れやすい」と感じたさいには、酢をとってみてください。特に、運動後には効果的です。
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この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。
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